11/8とは何か
11/8は、1小節に8分音符が11個入る拍子記号です。上の数字「11」は小節を満たす8分音符の数を示し、下の数字「8」は8分音符がカウントの単位であることを表しています。
下の数字はテンポを決めるものではありません。11/8のグルーヴは遅くても速くても、重くても、ダンスっぽくても、浮遊感があってもOKです。11/8であることを決めるのは小節の長さとグループ分けであって、速さではありません。
11/8の感覚
11/8は奇数拍子なので、小節全体を2や3の等しいグループに分けることができません。ミュージシャンはたいてい、2拍や3拍の小さなグループを組み合わせて感じ取ります。
よくある感覚は、ほぼ12/8だけど8分音符が1つ足りない、というもの。例えば「3+3+3+2」なら、3つの転がるような3拍グループが続き、最後に2拍の短いグループが来ます。この最後の短いグループが、小節の回転を速く感じさせることも。でも、11/8は12/8の欠けたバージョンではなく、独立した拍子です。
グルーヴはアクセントのパターンで変わります。「3+3+3+2」ならアクセントは1、4、7、10拍目。「2+3+3+3」なら1、3、6、9拍目。同じ拍子でも、感じ方が変わります。
11/8の数え方
一番シンプルな数え方は、8分音符を11個すべて数える方法です:
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
演奏する時は、長い数字の列よりもグループごとに数える方がラクです。「3+3+3+2」なら:
1 2 3, 1 2 3, 1 2 3, 1 2
アクセントを意識して数えることもできます:
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
グループが「2+3+3+3」なら:
1 2, 1 2 3, 1 2 3, 1 2 3
演奏前にアクセントを声に出してみてください。奇数拍子では、どんな数え方でもバンド全体で強拍の位置を合わせることが大事です。
よく使われるアクセントのグループ分け
11/8は色々なグループ分けができます。ここではよく使われる例を紹介します:
| グループ分け | アクセントの位置 | フィーリング |
|---|---|---|
| 3+3+3+2 | 1, 4, 7, 10 | 転がる感じ、最後が短く締まる |
| 3+3+2+3 | 1, 4, 7, 9 | ほぼ3拍子ベース、中間でリフト感 |
| 3+2+3+3 | 1, 4, 6, 9 | 2番目が短く、早めに回転する |
| 2+3+3+3 | 1, 3, 6, 9 | 最初が短く、その後長いグループへ |
| 2+2+3+2+2 | 1, 3, 5, 8, 10 | 細かく分かれ、リフに使いやすい |
11/8の譜面を読むときや書くとき、ビーム(連桁)がグループ分けを示していることが多いです。例えば3+3+3+2のビームなら、それがグルーヴの一部だと考えて演奏しましょう。
どんな場面で使われるか
11/8はプログレッシブ・ロック、プログレッシブ・メタル、フュージョン、現代ジャズ、現代クラシック、映画音楽、実験的なエレクトロニック音楽などで登場します。リフやオスティナート、不規則な推進力が欲しいセクションによく使われます。
11拍の非対称拍子は、バルカン半島や東地中海周辺の民族音楽にも見られますが、グループ分けやアクセント、テンポ、ダンス感は地域や曲によって異なります。例えば「2+2+3+2+2」のような並びもありますが、これは一例であって、11/8の決まった形ではありません。
バンドでは、ドラムやベースがグループ分けをはっきりさせる役割を持つことが多いです。ギターやキーボードは「3+3+3+2」のリフを繰り返し、ドラマーがキックやスネア、シンバル、タムでアクセントをつけることもあります。
よくある混乱
11/8は11/4とは違います。 どちらも1小節に11カウントありますが、11/8は8分音符、11/4は4分音符が単位です。11/4はテンポや細かい分割を調整しない限り、より広がりのある感覚になります。
11/8は12/8の間違いではありません。 12/8は「1トリプレット、2トリプレット、3トリプレット、4トリプレット」と4つの付点4分音符で感じることが多いですが、11/8は8分音符が1つ足りないので、アクセントの周期が不均等になります。
11/8は奇数拍子ですが、グループ分けが重要です。 「11拍子」と言うだけでは不十分で、3+3+3+2や2+3+3+3など、どんなグループ分けかも知る必要があります。
11/8は自動的にミックスド・メーターになるわけではありません。 ミックスド・メーターは通常、小節ごとに拍子が変わる(例:6/8→5/8)ことを指します。11/8が繰り返される場合、グループ分けは加算的でも、書かれている拍子は同じままです。
メトロノームで練習しよう
- メトロノームを80bpmなど遅めにセットします。メトロノームが対応していれば、まず8分音符ごとにクリックを鳴らしましょう。「3+3+3+2」のグループ分けで1 2 3, 1 2 3, 1 2 3, 1 2と数えます。
- アクセントだけをクラップします:1、4、7、10拍目。全11カウントは声に出し続けて、小節全体を見失わないようにしましょう。
- 声や手、ピック、ハイハットで8分音符を均等に刻みます。各グループの最初の音を少し強くしましょう。
- クリックを8分音符ごとではなく、各グループの頭に移します。「3+3+3+2」なら1、4、7、10拍目にクリックが鳴ります。
- 難易度アップ:テンポはそのままで、「3+3+3+2」から「2+3+3+3」に切り替えてみましょう。新しいアクセントは1、3、6、9拍目になります。小節の長さは変わらず、アクセントだけがシフトする感覚を体験してみてください。